2017年10月19日(木) 天気:あめ
ディジタルカメラでのモノクロ撮影は 「コレジャナイ」違和感に満ちている
最近,「フィルムで撮る」行為がすこし流行しているらしい。そこにある魅力として,フィルムという「モノ」に画像が容赦なく残ることではなく,「すぐには画像が見られない期待感」を強調する人もあるようだ。そのほか,「フィルムで撮った画像には独特の雰囲気がある」という評価もあるようだ。フィルムに特有の雰囲気とは,どんなものだろう?たとえば,発色の傾向の違いというものが考えられる。とくにモノクロフィルムで撮った画像ならば,これまでカラーの画像しか見てこなかった人には,とても新鮮なものに見えるだろう。
だが,モノクロの画像を得るだけのために,わざわざモノクロフィルムを使う必要があるだろうか?
そんな無理をしなくても,ディジタルカメラで撮った画像を,フォトレタッチソフトウェア上でグレースケールに変換してもよいのではないだろうか。また,ディジタルカメラに「グレースケールで撮る」モードが用意されている場合もあるだろう。
SONY α NEX-C3, FUJINON W 210mm F5.6
きれいな,モノクロ画像が得られた。
だが,なにか違う。
私が求めていた画像は,「コレジャナイ」のである。
SONY α NEX-C3, FUJINON W 210mm F5.6
間違いなく,きれいなモノクロ画像だ。でも,やはりなにかが違う。強いて言葉にすれば,力強さがまったく感じられない。
SONY α NEX-C3, FUJINON W 210mm F5.6
違和感の原因は,あまりに画像がきれいなことだろうか。ハイライトとシャドウがほどよく調整され,さらに粒状感もない。ディジタルカメラの設定,撮り方や,撮った後の処理にいろいろと工夫が必要になりそうだ。あるいは,モノクロ撮影に適した設定のできるディジタルカメラがあるのだろうか。
どうやら,ディジタルカメラでのモノクロ撮影は,見た目のお手軽さとは違い,かなり深い沼になっているのかもしれない。いまのところは,フィルムで撮るほうが楽に感じる。
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