キヤノンEOS3
カメラ
について
1998年11月発売。
45点測距のエリアAFや高速・高精度の視線入力、 秒間最高7コマの高速動体予測連写等数々の機能を搭載したプロ・ハイアマ向け高級一眼レフカメラ。発売時価格185,000円
購入 1999年9月に5000円(消費税別)で救出。
なぜジャ
ンクに?
落下品。測距点選択ボタン部分が損傷し、ボタン欠損。全く作動せず。メーカー修理不能との断り書き有り。
購入の
物語
とある休日、休日出勤で会社に行く途中、カメラのキタムラあけぼの店に寄った。開店直後に行ったためか中古コーナーで店長のNさんが陳列準備をしている。私は中古を一通りチェックしめぼしい物が無い事を確認し、帰ろうとするとNさんが「これから沢山二階から(新入荷の中古を)下ろしますから見て行ってください」と私を呼び止めた。やがて段ボール箱二箱の中古がやってきて、Nさんが「これがちょっと面白いですよ」と言って取り出したブツがEOS3。EOS3の中古相場は高く個人的に全く興味が無い。ただ初めて見る中古物件なので「もう出ましたか?EOS3...値段は?」といって値札を確認すると、なんと8000円。そして価格の下には「メーカー修理不能」と断り書きがしてあった。Nさんに「どうしたの?」と聞くと、「全く動かない」「水没品ですか?」「いや、落としたんです」と測距点選択ボタンの有るところを指さした。そこには落下時の痛々しい傷やひび割れがあり、測距点ボタンは無く、砕けた部品がその辺りを埋め尽くしていた。ボディ上端の液晶表示部分のカバーも取れかかっていた。取り敢えずはチェックしようと思い、隣にあったE,u毆)OS10から電池を借用し入れてみた。電源は入った!しかし訳の分らぬ表示「SEL」が出て、ファインダー内では測距点が赤く点滅していた。それ以外のことは何も出来ない。
私はEOS3をショーウィンドウに収めて、カタログを見に行った。「SEL」とは測距点選択のときに出るSelectの意味だった。それで少し考えた...
測距点ボタンの有るべき所は砕けた部品があり、明らかにスイッチを押しっぱなしにしている。だから、その部品を取り除けば動くかも知れない....しかし、メーカー修理不能との断り書きも有り、一度メーカーがチェックしているのは確か。それでダメということは、根本的に電子回路がやられている可能性もある。う〜〜〜〜ん.....リスクが高いなぁ。
自問自答は続く...
幾らなら買うか?8000円は明らかに高い。これだけ新しく、メーカーにも補修部品潤沢なカメラで部品取りというのも意味がない。しかし800円ならためらいなく買うよなぁ。幾らなら?...
そこではじき出した個人的な結論が5000円だった。これはグリップの定価である。いずれEOS1(Nもしくはやがて発売される新型)のHSタイプを買おうと思っている私は、ブースターを外したときに使うグリップが有っても損にはならないと思ったのだった。それでNさんに「5000円にならない?5000円ならこの場で持って帰りましょう!」と言うと、あっけなく「OK」が出た。かくして5250円を支払い、全く動かず、キャップ、アイカップなどの付属品も全く無いEOS3を手にした。
再生への
道のり
購入したその日は会社だったので、翌日、EOS3の分解に着手した。分解に着手する前に外した部品を順番に整理する用意をする。絵の具のパレットがあると良いが、他の物でも代用は出来る。EOS3のトップカバー分解手順は以下の通りである。
先ず裏蓋を明け、フィルム室の奥にある前面カバーを止めているビスを外す。次に右手側グリップを外し前面カバーを止めているビスを二本外す。ボトムカバー中央レンズマウント側のビス、ペンタ部下部のビスを外す。裏蓋を閉じた状態で裏蓋ロックボタンのカバーを外す。そうすると前面カバーが取れる。その際に被写界深度確認ボタンが脱落するので、部品(ボタンと防滴ゴム)を無くさないようにする。そしてこれがコツだが、すぐにロックボタンカバーは付けておく。
前面カバーが取れるとトップカバーを外すためのビスが全部見えるようになる。アイピース両脇の二本のビス、左右のストラップ取り付け金具の所のビス、ペンタ部中央前面の隠れビス、グリップ部シャッターボタン裏にあるビスを外す。そうするとトップカバーが緩む。トップカバーを外す前に、グリップ側前面にあるトップカバー側から生えているフラットケーブルを、グリップ側基板から外す(小さな白いレバーがあり、それを動かすとロックが外れる)。そしてトップカバーは右手側を持ち上げるようにしてゆっくりと外す。左手側のトップカバーから生えているコードは本体側基板に半田付けされており、無理に引っ張ると取れてしまうから要注意だ。
どんなに注意深く作業しても、ここで悲劇が起こる。トップカバーを上にずらした途端にトップカバーに着いているボタンの全てが脱落するのだ。その数7個。その際防滴ゴムも併せて脱落する。トップカバーを外したら、先ずすべき事は脱落したボタンとその防滴ゴムを無くさないように集めて、それらのどれがどの位置の物かを確認しなくてはならない。結構これは難しい...

組み上げるときの順番は上記の逆だが、注意点を幾つか。トップカバーに付くボタンと防滴ゴムはカバー側に固定されない。しかしトップカバーは上から下に被せる物だから、普通に装着しようとするとボタン類が脱落していまう。だから、トップカバーはカメラを逆さまにして組み付ける。トップカバーを組み付けたら、グリップ側のフラットケーブルをメイン基板のコネクターに差し込みロックレバーでロックする。前面カバーを装着するときは、被写界深度確認ボタンとその防滴ゴムを前面カバーにそっと載せ、カメラのグリップ側からずらすようにして組み付ける。その際左手側リモートレリーズ端子の所が入りにくいが、力を少し込めればパチン!と言う音と共に填まる。これを逆の方向から填めると、被写界深度確認スイッチ裏の基板を曲げてしまい、このボタンが作動しなくなる。前面カバーを付けるときには裏蓋ロックボタンカバーを外さなければならないが、これは裏蓋を閉じた状態で行う。前面カバーが付いたら、すぐにロックボタンカバーは付けておく。

以上の注意点は一度分解したから書けることで、当然EOS3の分解など初体験の私にどんな悲劇が起こったかも書いておきましょう。最初の悲劇は裏蓋を開けた状態で、ロックボタンカバーを外したこと。これにより多数の部品がバネの力で飛び散ってしまった。この部分は知恵の輪のような複雑な構造をしていて(単純なロックではなく、電気スイッチが有り裏蓋開閉によりカメラが作動するようになっている)、どの部品が何処に付くのかが分りにくく、きちんと組み上げる際に4時間も悪戦苦闘してしまった。
もう一つの悲劇はトップカバーをずらした時である。グリップ側のトップカバーから生えたフラットケーブルが外れる構造とは気づかないため、無理な力を加えないでずらそうとする限りトップカバーはホンの僅かしかずらせない。その状態でボタン類が全部ボディ内部に脱落してしまい、どうしたらよいのか分らなくなってしまった。更に試行錯誤しているうちに急にトップカバーが外れたが、すると外した記憶のないフラットケーブルがブラブラしていて、私はメイン基板を引き裂いてしまったかと思い、目の前が真っ暗になってしまった(**; 一度EOS3を分解すれば分るけど(でもしないようが良いよ)、このフラットケーブルを接続するメイン基板側のコネクターは極めて薄く、その存在も、ロックレバーのある事も気づきにくい。ロックレバーを緩め無い限りこのコネクターはケーブルを受け入れないので、余計にフラットケーブルが何処から外れたのかが分りにくいのだ。
最後の悲劇はトップカバーから脱落したボタンと防滴ゴムである。まずこれらが何処から脱落したのかを探し出すのに相当の時間を要した。しかもこれらの部品、トップカバー側には固定されない。しかしトップカバーは上から下に被せる物だから、トップカバーを閉めようとするとボタンが落ちてしまう。カメラを逆さまにして組み付ければ何とかなると気づくまでには、相当の時間がかかった...

さて、トップカバーを外した状態で電池を入れたグリップを装着して電源を入れてみた。するとシャッターが動いた!!!やはりカ<奄ェ動作しなかったのは測距点選択ボタンが押されっぱなしになっていたからだった。動作を確認してから私は測距点ボタンの辺りの砕けた部品を全て取り去り、カメラを組み上げた。そして動作確認をしたところ、すべてが正常に作動した。測距点選択も、ボタンの代わりになる物で基板を押せば可能だった。フィルムの給送もOKである。

破損した測距点選択ボタン部分。これは一度分解し、砕けた部品を取り除いた状態。背後に見える液晶表示部分のアクリルカバーが浮き上がっているのが分る。


さて、すべての機能が正常に作動するようになったEOS3だが、測距点選択ボタンは無く、カバーが割れ、液晶表示部分のアクリルカバーも外れかかっている。EOS3ではもう一台ジャンクを見つけての二個一修理もまず不可能。と言う事でメーカー修理に出した。今回はメーカー修理不能で返品される事も無く、各部点検も含めて修理費は19680円+税であった。これにアイカップ、端子カバー、取扱説明書などの欠落した部品を加えると、22000円程+税の請求書を頂いた。しかしメーカー点検して貰った為か、視線入力の精度が格段に良くなって返ってきた(と言う事は修理前はショックでずれていたか?)。ストラップを含めても3万円で入手できたEOS3(半年間のメーカー保証付き!)。これから私のメインカメラとして活躍してもらおう。

カメラ本体   5000円
修理費     19680円
アイカップ   1000円
端子カバー   250円x2
取扱説明書   800円
ボディキャップ 300円
ストラップ   2000円
合計      29280円+税

by KEN

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