Mアダプタに気をつけよう

●Mアダプタとは

 マミヤユニバーサルプレスは,マミヤプレススーパー23に次ぐモデルとして,1969年に発売された。なお,このあと1971年に発売されたユニバーサルのブラックモデルが,マミヤプレスシリーズの最終モデルとなる。
 マミヤユニバーサルプレスでは,初代マミヤプレスやマミヤプレススーパー23に設けられていた後部アオリ撮影機能は省略された。そのかわり後部には,さまざまなフィルムホルダ等が取りつけられるようになった。
 マミヤプレスは,6×9判の大画面を扱いやすいカメラとして企画されている。したがって,6×9判用ロールフィルムホルダが,マミヤプレスの標準的なフィルムホルダといえる。このロールフィルムホルダは,S字型の断面形状をもち,フィルムのカーリングが気になりがちな6×9判フィルムホルダとしては,たいへん平面性のよいものであるとの評価が高い。
 マミヤユニバーサルプレスに,そのロールフィルムホルダを取りつけるためには,「Mアダプタ」というものをマミヤユニバーサルプレスの後部に取りつける必要がある。ただ,この「Mアダプタ」は,マミヤユニバーサルプレス本体に標準的にセットされて販売されていたものであり,1つのパーツとして販売されることは少なかったであろう。

Mアダプタ
Mアダプタが付属した状態の,マミヤユニバーサルプレス。

●マミヤユニバーサルプレスの用途

 マミヤプレスは発売当初から,報道や記念写真など,幅広い分野で使われてきた。マミヤユニバーサルプレスの特徴として,ポラロイドフィルムが使えるようになったという点があげられる。とくに,スタンダードサイズのポラロイドフィルムをフルサイズ(フォーマット:8.5cm×10.8cm,実画面:7.3cm×9.5cm)で使えることに,大きな意味がある。スタンダードサイズ用のポラロイドフィルムと,4枚撮り撮影装置あるいは2枚撮り撮影装置を組み合わせることで,証明写真用カメラとして使えるようになるためである。
 マミヤユニバーサルプレスは,それ1台で,屋外でのスナップ写真,スタジオでの肖像写真のほかに,店頭での証明写真の撮影にも使える,まさに「写真屋さん」にとって万能カメラだったのである。
 そのため,マミヤユニバーサルプレスは,業務用として使われてきたものも多い。なかには,証明写真専用機として使われたケースも少なくないと思われる。中古カメラ市場では,「マミヤユニバーサルプレス本体+ポラロイドフィルムホルダ+127mm F4.7レンズ」という組み合わせのものを見かけることがある。これは,証明写真専用機として使われていたものが不要になって,放出されたものであると考えられる。

 

●購入時の注意

 中古カメラ市場に流通するマミヤユニバーサルプレスに,ポラロイドフィルムバックがセットされているときは,Mアダプタが失われているケースがしばしば見られる。Mアダプタがなければ,ロールフィルムホルダを使用することができないので,購入時にはよく確認することが必要だ。あとで中古カメラ店などでMアダプタを単体で見つけ出すことは,おそらく容易ではない。
 もし,Mアダプタのないマミヤユニバーサルプレスを入手してしまったときは,すなおにMアダプタのついているマミヤユニバーサルプレスをさがすのがよいだろう。インターネットオークション等をチェックすれば,Mアダプタが単体で販売されるケースが見られるかもしれないが,Mアダプタつきのユニバーサルボディがジャンク扱いで格安で流通しているのをさがすほうが,出会える可能性が高く,費用も安く済むのではないかと期待できる。
 また,ポラロイド撮影をおこなう予定がないならば,後部アオリ機構のある,マミヤプレススーパー23の入手を考えるのも,現実的な対処方法だろう。

ポラロイドホルダつきで流通しているマミヤユニバーサルプレスには,
Mアダプタが失われているものも見られる。
購入時には,気をつけるようにしたい。

戻る