返信 29 スポック
投稿日 9/18(土) 23:02:30
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ゼットン師匠
> 私はもう、マクロレンズ以外ではマニュアルフォーカス使ってません。
> そのほうが、ピントの歩留まりも高いし、ピント合わせも速いです。
仮にファインダースクリーンとフィルム面の焦点位置が
完全に一致するように調整されていたとしましょう。
それでもAFに任せた方が正確にピントが合うことが多いのです。
自動絞りレンズを装着している一眼レフでは、
たいてい「絞り解放」でピント合わせをしますね?
それは、
1.明るい方が判りやすい。
2.被写界深度が浅い状態で調整する方がピントの山に合いやすい。
という理由ですよね。
しかし、実は「2」は曲者なのです。
解放の状態と絞り込んだ状態では、
被写界深度だけでは無く、ピント位置も変わるのです。
正確には「最良像面」の位置がずれるのです。
レンズには大なり小なり「球面収差」があります。
レンズの中心部を通って来た光が合焦する位置と、
レンズの周辺部を通って来た光が合焦する位置は違うのです。
「レンズの中心部を通って来た光が合焦する位置」は「近軸焦点」と言って、
レンズ設計の基本になる焦点位置です。
しかし、レンズの面積は中心部より周辺部の方が大きく、当然透過量も多いので、
周辺部を通って来た光の焦点位置にフィルム面を合わせる方が鮮明に見えます。
つまり解放状態でピントを合わせると、多数決の原理で、
レンズ周辺部の焦点位置へピントを合わせてしまうことになるのです。
しかし絞り込むと、周辺部を通る光はカットされるので、
「最良像面」は「近軸焦点」に近付きます。
これが、絞りによる焦点位置の移動です。
AF一眼レフでは、レンズが自分自身の焦点移動量を情報として持っており、
ボディ側にそれを伝えて、ボディはそれを考慮して焦点を調節します。
ですから、たとえスクリーンとフィルム面の相対位置が完璧に調整されていても、
解放で見たファインダースクリーンのピント位置と、
AFモジュールが導き出すピント位置には、ずれが生じます。
どちらが正解かと言えば、AFモジュール側なのです。
ところで、マクロレンズ(マイクロレンズ)のような高性能レンズでは、
球面収差は良好に補正されており、絞りによる焦点移動はほとんどありません。
つまり、良いレンズならば、MFでも安心して使えるということです。
安物ズームレンズならば、AFに頼った方がマシです。 |