三段峡について

 三段峡は,広島市デルタを形成する太田川の源流にあたる柴木川が作り出す,美しい峡谷である。1925年に「史蹟名勝天然紀念物保存法」により名勝指定,1953年11月に国の特別名勝に指定された。三段峡は,下流の長淵から樽床ダムおよび田代川と横川川の合流点付近(田代出合)までとされている。

 「史蹟名勝天然紀念物保存法」により名勝指定されたため,峡谷内には大規模な開発はおこなわれていない(しかし,峡谷内唯一の定住集落,餅ノ木を,大規模林道が通っている)。その一方で,観光地として遊歩道が整備されており,自然の景観を最大限に残しながら,軽装で峡谷を楽しむことができるようになっていることは,先見の明をもった先人の偉業の結果である。

 峡谷内に大規模な開発がおこなわれなかったとはいえ,すぐ上流には大規模な樽床ダムが作られ,峡谷の水量は減少し,かつての魅力には遠く及ばないとする声もある。しかし,それでもなお,三段峡の景観は魅力にあふれていることを,私たちは知らねばならない。

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